~ 2日目 ~
8月の中旬という夏真っ盛りの時期なのですが、涸沢の夜は結構冷えます。
今回は、シュラフは、モンベルの「U.L.スパイラルダウンハガー#3」、シュラフカバーは「ブリーズドライテック U.L.スリーピングバッグカバー ワイド」を購入したのですが、この両方を使用しても結構、寒かったです。
最初は、夏用のシャツ1枚で大丈夫かと思ったのですが、あまりの寒さにライトシェルとユニクロのウルトラライトダウンを着込んでしまいました。
紅葉の頃の涸沢だと、#1あたりのシュラフでないとダメかな~と思いました。
夜明け間近(4:20)
テントの外は、早朝から山を目指す人で騒がしくなってきました。
自分もそろそろ起きようかと思い、テントの外へ。。。
外はまだ薄暗く、東の空がぼんやりと明るくなっていましたが、眠い目をこすりながら荷物の中から洗面道具を引き出し、ヒュッテの水場へと向かいました。
朝食(5:00)
あんこ餅は、パックにお餅を入れてお湯でヒタヒタにして待つこと約1分。その後、同じく粉状のあんこの素をお湯で溶かしたものにつけて食べます。
これ、美味しい!というほどではありませんでしたが、そこそこの味でお腹を膨らませるにはいいかも。
ふかひれ雑炊の方も、中身をカップに入れ、お湯を注いで待つだけの簡単なものででしたが、味はイマイチでした。
モルゲンロート(5:20)
朝食を取っていると、日の出の時間となり、バックの穂高連峰がオレンジ色に染まっていきました。
これが、有名なモルゲンロート(高山での朝焼けのこと)です。
いや~、これ本当に綺麗です!
晴れてて良かった。。。
奥穂高岳に向けて出発(6:00)
朝食を済ませ、山頂アタックに必要な物だけをザックに詰め込み、奥穂高岳に向けて出発です!
昨日の15kgの重さに比べると、今日のザックは、ほとんど背負ってないくらいの軽さに感じました。
30人ぐらいの団体が、15分ぐらい前に同じコースに向けて出発しており、ちょうど雪渓の近くを歩いている姿が見えました。
石畳道(6:15)
天気は快晴!
眩しいばかりの日差しの中、今日の最初の難所「ザイテングラート」を目指します。
テント場を出発してすぐに写真のような石畳道が現れます。
岩の上のガイドマークを辿りながら、岩の上を進みます。
雪渓(6:20)
石畳道を越えると右手に雪渓が見えてきます。
この辺りから高山植物も道端に咲いているところが多くなってきました。
朝、寒かったので晴秋用のシャツを着ていたのですが、サンサンと降り注ぐ太陽の光の暑さにたまらず、夏用のシャツに着替えました。
石畳道続く(6:30)
雪渓の左手を登って行くと、写真のように石畳のガレ場が現れました。
結構、急坂でしたが、ザックが軽いせいか今日は軽快に登ることができます。
お花畑(6:50)
ガレ場がちょうど終わる頃に道が右方向に斜面に向かってトラバースする感じに変わります。
トラバース道に入ってすぐに「見晴岩」があり、ここから見る涸沢ヒュッテは、かなり小さく、結構上がってきたんだな~と思いました。
その後、道の左手斜面側にお花畑が現れました。
8月下旬だったので、時期的には花のシーズが終わりかけていたのですが、それでもまだたくさんの花が咲いており、とても綺麗でした。
お花畑の奥の遥か彼方、ちょうど写真の中央上のあたりに穂高岳山荘が建っています。
まだまだ遠いな~
雪渓を横切る(7:00)
お花畑を過ぎると雪渓のトラバースが待っていました。
ここはトレースもしっかりしており、アイゼンがなくても全く問題ありません。
雪渓の少し先を団体客が歩いています。
かなり接近した感じです。
ザイテングラートに取り付く前に抜かさねば。。。
横から見たザイテングラート(7:20)
雪渓が終わってしばらく岩の階段道を進むと、涸沢小屋からの道との合流点に差し掛かります。
ここから、今度は道が大きく左側にカーブし、ザイテングレートに向かいます。
ザイテングラートの直前の道で団体客が休んでいるのを見て、ここぞとばかりにピッチを上げて団体客を抜かしました。
ホント、ここで抜かしていないとこの後、大渋滞に巻き込まれるはめになっていたと思います。
ザイテングラート取付点(7:25)
ザイテングレートの取付点に到着です!
ここからが、本格的な山登り!
本日最初の難所になります。
取付点では、難所を目前に休憩している人が多かったです。
自分も少し休もうかと思っていたのですが、団体客が後ろに迫ってきたので、やむを得ず出発しました。
岩場の急登(7:30)
ここまでの道は、比較的なだらかな坂道だったのですが、ここからは岩場の急登の連続です。
手を使って登らないといけない場所が多いため、ポールもザックにしまいました。
人間ひとりが通れるような幅の場所も多いため、下ってくる人がいる場合は、通過を待たなければならない時が結構あります。
こんな場所で後ろから来る団体客のような集団に出会ったら最悪です。
通過にどれだけ待たなければいけないことか。。。
岩場続く(7:50)
登っても登っても岩場が続きます。
写真では、どこが道がわからないと思いますが、岩の上にしっかりと道標が描かれているので、ルートに迷うことはありません。
こんな道をテント泊装備で登る人もいるんだろうな~と思うと、まだまだ自分の非力さを痛感してしまいます。
鎖場(7:50)
ザイテングラートには、途中、鎖場もあります。
鎖が設置してある場所は、少しだけ危険な場所です。
ただ、思ったほど高度感はなく慎重に歩けば初心者でも問題ないと思われます。
2017年に登った時の様子をアクションカムでビデオ撮影しましたので、興味のある方はご覧ください。
眼下を望む(7:50)
取付点から30分ぐらい登ったところで後ろを振り返ると今まで登ってきた岩場が龍のウロコのように細長くうねっていました。
その奥の遥か彼方に涸沢ヒュッテが小さく見えました。
<ザイテングラートからの眺め>
岩場続く(7:55)
岩場、まだまだ続きます。。。(^^;
岩も自由奔放に積み重なっており、時折、どの岩を登っていけばいいのか迷ってしまうこともありました。
岩場の登りは、歩幅を大きく足を踏み込んで登らなければならない箇所が多く、足の疲労度が通常の山道より大きいです。
遠くに雲海(8:10)
後ろを振り向くと遠くに雲海が見えてきました。
かなり高度が高くなってきました。
高山植物(8:25)
岩場の周りには高山植物もたくさん咲いていました。
取付点から1時間。
さすがに疲れもピークに達しそうになってきました。
穂高岳山荘は、まだか。。。
穂高岳山荘見える!(8:30)
最後の岩場であることを信じて岩を乗り越え山頂付近を見ると、茶色の建物が目に飛び込んできました。
やった~
ようやく穂高岳山荘の姿が見えるようになり、ほっと一息です。
穂高岳山荘到着!(8:35)
穂高岳山荘に到着です!
山荘前では、休憩を取る登山客が多くいました。
山荘の奥には、奥穂高へ向かう道に立ちはだかる絶壁のような山が。。。
本日、2番目の難所です。
ここで、トイレ休憩を済ませ、早速、奥穂高へ向かおうとしました。
ヘリの空輸で足止め(8:50)
山荘前を横切って、奥穂高への道を進もうとしたところ、これからヘリの空輸があるので、登るのは待って欲しいとのこと。
先を急ぎたい気持ちもあったのですが、ヘリの空輸などそう滅多に見れないと思い、山荘の方に誘導され山荘の中に退避してヘリの到着を待つことにしました。
ヘリを待つこと数分、轟音とともにヘリが現れ、荷下ろし作業が行われました。
ヘリが山荘上空でホバーリングしている間、山荘前は結構な風が吹き荒れていました。
<穂高岳山荘の空輸ヘリ:山荘内から撮影>
奥穂高への難関(8:55)
ヘリによる空輸は10回以上続くとのことだったので、ヘリが去った後に急いで岩場攻略に向かいます。
ここには、鉄の梯子が2本架けられており、写真のようにほぼ90度の角度で登って行きます。
足元を見るとかなりの高度感があります。
高所恐怖症の人にはちょっと辛いかも。。。
ただ、上りなので下を見なければ何とか登れると思います。
梯子を上り下りする時の注意点に従って、慎重に登ります。
- 梯子を上り下りするときは、手は梯子の両端ではなく、ステップを持つこと
- 体は起こし、3点確保で上り下りする
2017年に登った際にアクションカムでビデオ撮影しましたので、興味のある方はご覧ください。
ヘリの空輸(パート2)(9:05)
ちょうど2本の梯子を登りきったところで、またヘリがやってきたので、岩場の上からも撮影しました。
ガレ場の急登(9:10)
梯子の後も、ガレ場が続きます。
梯子ほどの高度感はないのですが、慎重に登ります。
笠ヶ岳(9:11)
ガレ場の途中で西の方角を見ると笠ヶ岳の絶景が望めました。
笠ヶ岳も日本百名山の一つです。
いつかは登ってみたいと思いました。
山頂に向けガレ場続く(9:20)
山頂までは、まだ30分ぐらい登らなければなりません。
先ほどのガレ場と比較すると道がしっかりとできており、歩きやすくなりました。
途中、かなりの年配の女性や小さな子供などとすれ違うこともあり、みんなよくあの梯子を登ってきたな~と感心しました。
遥か彼方に涸沢ヒュッテ(9:25)
ガレ場の続く道の途中、左手側が写真のように所々、開けた場所があり、遥か遠く眼下に涸沢ヒュッテが小さく見えました。
かなりの高度感に思わず吸い込まれそうになります。
高所恐怖症の人はちょっと辛いでしょう。。。
両脇が切り落ちた道(9:30)
途中、両脇が切り落ちた道がありました。
ちょうど、写真に写っている場所が道幅で、その両側は断崖絶壁です。
自分は、特に恐怖感はなかったのですが、慎重に歩かないとちょっと危険です。
この後の動画で確認してもらえればと思います。
ジャンダルムの雄姿(9:35)
山頂間近のところで右手にジャンダルムの雄姿が見えてきました。
ここはレベル10のエリア。
今の自分の力量では、とても攻略は難しいですが、いつかは制覇してみたいと思いました。
奥穂高岳山頂到着(9:45)
涸沢のテント場を出発して約4時間、奥穂高岳山頂に到着!
山頂には祠と方位盤が設置されていました。
山頂の祠は、人が2~3人しか登れないため、記念撮影の順番待ちで渋滞していました。
<奥穂高岳山頂付近からの眺め>
2017年に登った際の山頂からの360度の絶景をビデオ撮影しましたので、興味のある方はご覧ください。
遠くに見える前穂高岳(9:50)
奥穂高岳山頂の先に前穂高岳が見えます。
最初に今日のコースを計画したときに前穂高岳まで行くことも検討したのですが、奥穂高から往復4時間かかるようだったので、今回は断念しました。
帰路を下る(10:05)
山頂付近は、あまり人が長居できる場所がないため、記念撮影を撮るとすぐに帰路へと向かいました。
ここから涸沢までは3時間弱で下りられます。
やっぱり、下りは早いな~
難関のハシゴ(10:30)
本日のコースの最大の難関、梯子の下りです。
上りの時は、下を見なければよかったのですが、下りの場合は、そうもいきません。
写真のようにかなりの高度感があるので、後ろ向きに慎重に梯子を下ります。
今日のコースでは、唯一、この下りの部分だけがレベル8でした。
2017年に下る様子をアクションカムでビデオ撮影しましたので、興味のある方はご覧ください。
穂高岳山荘で昼食(11:00)
涸沢を出発して5時間が経ち、お腹も空いてきたので穂高岳山荘で昼食としました。
注文したのはラーメンとカルピス!
ラーメンは醤油味で山の上とは思えない美味しさで、カルピスもジョッキに入っており、乾いた喉にはたまりませんでした。
ちなみに食堂のお姉さんは、すごい美人でした。。。
ヘリの空輸の時に誘導してくれたお兄さんは、外人のイケメンでしたし、奥穂高岳山荘は美男美女の山小屋でした。
写真は、山荘前から撮影した涸沢カールです。
ザイテングラートを下る(11:40)
さて、お腹も一杯になったので、ザイテングラートの下りの開始です。
上りと違い下りは、やっぱり楽です。
ただ、急な場所や狭い場所などもあるので、細心の注意が必要です。
写真は、ザイテングラート唯一の梯子です。
穂高岳山荘前の梯子に比べたら楽勝です。
雪渓前の分岐点(12:30)
上りがあんなにキツかったザイテングラートも、下りは1時間ほどでクリアです。
ザイテングラードの取付点からしばらく下りると、涸沢小屋への分岐点があります。
涸沢小屋も訪れてみたかったので、下りは涸沢小屋のルートへ行くことにしました。
ガレ場&林道(12:40)
このルートを選択した後、少し後悔したのですが、このルート、ガレ場がずっと続きます。
しかも途中から樹林帯の中となり眺望も全く良くありません。
涸沢小屋(12:55)
30分程度、ガレ場&樹林帯の中を歩くと目の前に突然、涸沢小屋が現れました。
ここのテラスからの眺めも最高で、一休みしながらソフトクリームを食べました。
至福の時(パート2)(13:30)
涸沢小屋にも生ビールがあったのですが、涸沢ヒュッテのおでん&生ビールのうまさを忘れられず、この日も注文してしまいました。。。
ヒュッテのテラスで生ビールを飲みながら、今日、制覇したザイテングラートと奥穂高岳を眺め達成感に浸っていました。
よく登ったな~
本日の夕食(カレー)(16:30)
早朝からの登山の疲れか、無事下山できたことへの安堵感からか、睡魔が襲ってきたため、しばらくテントの中で一眠りしました。
この自由さがテント泊のいいところです!
目が覚めると16時近かったため、今日の夕食の準備に取り掛かりました。
取り掛かるといっても、お湯を沸かすだけなんですけどね。。。
今日のメニューは、アルファ米と「香るチキンカレー」。
これ、本当に美味しかったです。
おすすめです!
アルファ米にカレーを混ぜた写真がこちらです。
夕日に染まる北穂高(18:30)
その後、夕日に染まる北穂高の山々を眺めながら、涸沢最後の夜を迎えました。
この日の夜も満天の星空で、明日はここから帰らないといけないのかと思うと少し寂しかったです。
あと一週間ぐらい居てもいいな~
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